じゃがいもの発芽日記

じゃがいもが発芽したよ

忘れられない言葉

「おれは楽しくやってるよ」

電話口でその言葉が聞こえてきて、愕然とした日のことを今でも覚えている。

口からは嘲笑がわずかばかりに漏れた。

不倫が発覚して、二か月。その言葉を元夫から聞くには、あまりに早すぎた。

そうか、と思った。

私は、一度も楽しいと思った日なんかないよ、と、心の中でつぶやく。

でも、それが相手に届くことはないのだ。

だって、こっちのことなんて気にしていないのだから。

愛していて、愛していたから、結婚して、そうして私はどうなったのだろう。

相手の心の中で、私という存在はどういうものに成り下がってしまったのだろう。

不毛だとわかっていても、それでも、自分が相手にとって大切なものでありたかったという気持ちが、泥のようにあふれる。

足元からずぶずぶと、ゆっくり飲み込まれていくような気がする。

暗い。

ここはなんて暗いんだろう。

あかりが見えない。

苦しくてたまらない。

私の望む形でなくても、そこに愛があるといわれたところで、私にとってそれは愛のカタチをなしていない。

そんなものを認めなければならないのだろうか。

自分の愛のカタチも、よくわからなくなってしまった。

自分が間違っている、とか、正しい、とか、そういうことじゃないんだろうけど、そういうことじゃないんだったら、私はどうすればよかったのか。

苦しい。

吐き出していくだけの日記になってしまった。

どうしようもない日は、一人、暗闇に飲まれるようにじっとしているしかない。

お気に入りの音楽も、娘も、何の意味もなさなくなってしまう。

そんな日が、私にはある。