じゃがいもの発芽日記

じゃがいもが発芽したよ

同じ境遇の人間

私が結婚生活に終止符を打ったのは、三月のことだった。

基本的に、不倫された内容や、夫に言われたこと、不倫相手からの言葉などは、ここに書くつもりがない。

私は基本的に読み返す人間なので、悲しいことを書いてしまうと、それをまた自分に刻んでしまう。

それを避けるためにも、楽しいことを書いていこうと思っている。

三月がどんな季節だったのか、どんな気候だったのか、どんなニュースが駆け巡っていたのか、まったく思い出すことができない。

本当に、暗い沼の底にいたような記憶しかなく、部屋にこもっていた気がする。

一つ覚えていることは、小倉優子が三月三日に離婚したことで、私の親近感がぐっと湧いて、注目するようになったことくらいかな、と思う。

小倉優子は童顔で、幼いけれど私と年が近い。

勝手に同じ境遇のように思って、応援をしていた。時折、スピリチュアルなことを言うのが自分と似ていて、見ていて不安になったほどだ。

彼女はいつも笑っていた。無理をしてでも笑っている彼女の姿は、ほんの少し私の励みになった。

 

同じ境遇の人間、というのが、もう一人いた。

私の友人、彼は眼鏡をかけていて目がくりくりなので、デリカットとここではいう事にしよう。

デリカット君は私よりも年下の好青年だ。

結婚願望が強く、婚約をして幸せそうにしていた。

ところが、徐々にその幸せには暗雲が立ち込めてきて、気が付けば婚約を解消していた。

理由は、相手の浮気だった。

私の二か月ほど前に正式に婚約を解消し、破局したので、もともと仲の良かった私と意気投合していた。

だが彼は私と大きく違って、一緒に住んでいながらその実情に気付き、それを飲み込んでまで彼女と過ごしていた点だ。

私は本当に、浮気と不倫はNGなので、不倫が分かった瞬間に夫を家から追い出したし、離婚も即決めた。

でも、デリカット君はなんと半年もの間、それを知りながらも一緒に暮らしたのである。

ゾッとした。

同じ境遇にあるとはいえ、そんなことができるのだろうか、と私は思考を巡らせる。

 

無理だ。

私には到底耐えられない。

 

男と女の違いなのか、それとも私が短気なだけなのか。

不倫や浮気についてデリカット君とはよく話し合うが、彼の根底にあるネガティブさと後天的な発達を遂げたと思えるポジティブさの感覚が聞いていて面白い。

婚活を今頑張っていて、ぜひ素敵な女性を捕まえてほしいと思っている。

私たちは同士で、そしてお互いに楽しい未来に向けて頑張ろうと話している。

同じ境遇の人間は、案外いる。

先日も偶然同じ境遇の人と話したけれど、その人はあまり波長が合わなかった。

私は不倫を知って、そこからいち早く抜け出した。

その人たちは、不倫を知って、それでもそこにいる選択をした。

知って尚、相手に向かい合い続けることはものすごく大変なことだし、それができることは素晴らしいと思う。

でも、私はもうそこにいないのだ。

私には耐えられない、というだけの理由だ。どちらが正しいとか、正しくないとか、そんな話ではない。

同じ経験をしても、選択肢によって、こんなに違うのか、と思った。

彼女たちの幸せも、苦悩も、私にはわからない。

そして、私の苦悩も、幸せも、彼女たちにはわからないのだ。

 

だからこそ私は、デリカット君とこう話す。

「自分のための選択をしよう」

そして、その選択を正しいものに出来るかは自分にかかっているのだ。

デリカット君のハッピーな話が、いつかここにかけるといいと思う。